Moment
走りとモーメント

2003.12.01

 

BD06529_何処かが動くと何処かが回転する

こっちを動かせばあっちが回る

ややこしや ややこしや 然し

歩いたり走ったりする時に 手を振り 胴・腰を捻って 体はそれを心得て振る舞いバランスさせている

無理に振ったり捻ったり 或いは無駄な動きと思い込み堪えて止めたりしないこと

無駄な動作のエネルギーを使ったり 堪えるために要らぬエネルギーロスとならないように

それどころか下手にモーメントバランスを崩してしまうと 無駄な溜めを作ってしまったり 逆に力が溜まらずに何も出来ないこともある

 

今一寸 真直ぐ立ったまま 片方の足先の前にある石かボールを前に蹴ってみてください

立ったまま腰を引かず、足だけを真直ぐのまま前に蹴ろうとすると 何だかぎこちない

後ろに蹴り足を引いて力を溜めてから前に振るのは やり易く力も入るが 準備時間がかかる

そうではなくて腰を支心に上体を前にかがみながら 片足を振り出したなら如何だろう

少し腰が後ろに引けるが 直ぐに振り蹴ることが出来て 足先だけの力でなく上体の力も加わるようだ

前後に反対の回転モーメントを作って相殺したほうが バランスして力を入れやすく安定し早い

 

(このように足を前に出したとき 出した側の腰を後に引くようになる

この時肩と手も後ろに引けば胴は左右に振り揺れるが捩じられない

又は肩と手を前に出すようにするとナンバになるが 胴を捻るナンバになる

ワンピッチ毎にお控えなすってスタイルである 一寸やりにくい

どちらもワンピッチ毎にペコペコしなければならない 一寸無理

腰を引かず 力を溜めて腰・胴を捻らない事も出来るかも知れない

二軸とかヤクザ歩きとか ナンバ歩きとかであるが 無理を承知でやっているのでしょう)

 

尤も歩きや走りでは 足を前に出すだけでなく反対側の足が後にも蹴り送るモーメントが股関節の左右にかかる

つまり腰は 足とは逆の回転モーメントを受けてバランスしているのでペコペコする事はない

左右の股関節が前後に足と逆に振られる逆モンローとなってバランスしている

逆モンローは力を溜めないで直ぐに動きを発揮できる前進フォームです

 

(手を振ったり 肩を捩じったりの別の反動モーメントを受けて 胴が捻られたりそうでなかったりするのだが このことは後にしておこう)

 

石蹴りのもう一つのフォームとして 蹴り足側の肩と手の上体を前にかがみ畳むのでなく 逆に上体を後にそり返えるようにしながら 蹴り足を前に出してみてください

腰を支点に 力を溜めずに直ぐに足を前に振り蹴ることが出来 力も充分入ります

片側の足と肩のモーメントは同じ回転方向をして 力が少なく安定し早い

足だけでなく上半身の力でも蹴っている感じ

 

歩きや走りでは反対の足が後ろに蹴られるので腰を支点とする左右の逆回転となってバランスする

つまりこれも溜めのない 直ぐに動きを発揮できる前進フォームになります

腰が振られる逆モンローと較べると 腰は振られる感覚が無く また上体・肩が捩じられている違いが分かります

肩を積極的に捩じるような感じで胴が捩じれる これが捻りの竹馬走りの原理となります

 

言い忘れた大事な事として 振り切る動作と 振り止めるでは大違いがあることです

振り切るはワンウエイの仕事ですが 振り止めるは行って帰る往復バランス完了の仕事です

つまり蹴り止めれば 腰が引けたり反り返るような事をしないでも 元の位置に完結しバランスします

然しこの方法は往復倍のパワーを腹直筋や胴体に負担させます

 

竹馬やドミノ そして反り返りや前屈みは 倒れるままとか 放り投げっ放しとか言う 力まないまたは最小の動きなのです

モーメントを消す為に反対の止める力を入れて振り止めると言う 胴を捻らないような事も出来ますが これこそ胴体に見掛けとは逆のハイインピーダンスな負荷を与えてしまいます

 

普通の西洋走りが 逆モンローなのか 竹馬なのかは マイクはよく分かりません

マイク・ナンバーズは捻りの竹馬走りで 加えて腰をモンローにし 手先をナンバにした方が より竹馬の効率をアップさせると体感して出来たものです

逆モンローでは股関節がストライドには不利な方向に捩じられます

モンローではよりストライドが大きく出来ますし 肩の捻りをより大きくする為に 手先は肩と逆のモーメントになるようナンバにします

両方で恰も左右のモーメントの支点が股関節より臍のあたりまで上がってきてストライドが大きく感じます

 

歩きや走りでは 武道や球技のように単発の運動ではなく連続運動である為 一々力を溜めてから動くような事はしません

逆モンローも 竹馬もそれにかなっているが 逆モンローより竹馬は腰高で胸を張っているようでもあります

どちらが格好よいか 一目瞭然でしょう

 

二軸ナンバや ヤクザ歩きや お控えなすって歩きは 力を溜めて胴を捻らず盾のように見せて相手を威圧する時には見掛け有利でしょう

 

どちらを意識して走るか

答えは決まっていると思います

 

 

逆モンロー

 

 

 

 

 

 

 

 


竹馬

 

 

 

 

 

 

 


モンロー竹馬=マイク・ナンバーズ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


このように 走りの効率は単なるエネルギーの問題でなく モーメントも見方からも定性的に考えてみました

モーメントに懸けるパワーは スプリントでは筋肉エンジンパワーですが 歩きやマイク・ナンバーズのジョグでは重力が主です

片方の竹馬が倒れてからそのエネルギーを反対側の竹馬が受け止めてから前に振られます

定常的な走りではそのようなエネルギーを溜めてから伝達する 所謂溜めや遅れが問題になることはありません

それどころか倒れっぱなし 放り投げっぱなしの走り方が ジョグでは優れているのです

勿論スプリントでは ピッチを上げるために振り戻しも止む無しですので別物です

 

モーメントで出来る回転フォームの創るエネルギー効率が問題になります

次に定量的には一寸難しいので 簡易的に回転モーメントではなく 水平方向成分だけの運動モーメントとしてエネルギー効率を考えてみたいと思います

(続く)

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