自分探しの余生! 絆を大事に

私マイクの同級生のご主人の開業されている福井市内の整形外科医院が 毎年発行される文集に 私のエッセーを載せて頂きました原稿をそのまま このHPに勝手に転記させて頂きます

とても素敵な文集で 個人医がどうしてここまでの思いを持たれてなされておられるのか 実に不思議でご立派な事業をなされておられます

そのような文集の記事の一つにさせて頂いた光栄に感謝し 私のHPにも私のこの気持ちをひと言追加し 文集「和」第21を紹介させて頂こうと思いました

以下にそのような趣旨で そのまま転記いたします その内容についてはご笑読くださいませ

    雑感色々のページに戻る    21号の文集は 2009.9.1発行 このHPは 2010.5の登録です

    FC2のHPトップに戻る   第10号の内容は 「心いけいけ?」に 2011.8.17 登録しました

 

自分探しの余生! 絆を大事に

 

この文集の第10号に原稿を載せて頂いてから10年になります。その時に頂いた文集のテーマは「心元気、心いきいき」でありました。当時の私は、残り少ないサラリーマン生活でしたが、まだ現役そのものであって、エコノミックアニマルとして仕事に没頭するだけの生活でした。それでも錯覚的にしろ、経済的に生活面での満足感をすこぶる感じていました。けれどもそれが本当に充実したものであったのかとの疑問を、その投稿原稿を書きながら、人生を時間と言う数字で見つめ直してみました。

そこでの私の発見は、現役サラリーマン生活にゆとりがなくなっていることへの自覚と反省でした。それは、心にはゆとりが大切で、ついつい調子に乗って思慮なく何でもイケイケとやり過ぎるところに問題があるのだと思い知り、生き方について多々反省する機会を頂いたりして、この文集企画者の思いにただただ敬意と感謝を抱いたのであります。

 

今回も、自分の人生を広く省みるテーマと機会を頂いたのですが、よく考えると完全年金生活者となってしまった今は、残り少ないこれからの余生のことを真剣に考えた方がいいような年齢に既になってしまっているのです。

10年前には、寿命80歳として全時間(25億秒)の残りの人生がまだ7億秒あったのに、今はその半分しかなくなりました。しかもこの10年と同じスピードで虚しく減って行くのだと考えると、実に寂しく、かなり焦ります。10年前の現役時代に生活のゆとりや思慮不足を嘆いた以上に、これからはゆとりや思慮がもっと大切になると思われるのです。現役時代はイケイケでも忙しさに紛れてしまい、しかもやりたいことを先延ばし出来るだけのまだまだ余裕のある人生と思えたから、十分な満足感を疑問もなく錯覚できたのです。しかし残り少ない今、同じ調子で終わってはただの錯覚で生きた人生でしかないのではと、やっと今になって分かるのです。

 

人生にはやりたいことが一杯ありますが、やり残したことが何であるかを現役時代は意識することは必要ありませんでした。リタイヤして余生を迎えると、ゆとりができてそれを意識してしまうのです。もう若さもないのに、遅ればせながら人生の目的や、やりたいことが何であるのかを考え始めました。

放っておくとそれが潜在的なストレスになったまま、何もできずに終わってしまうので、出来るだけ少しでも多くやりたいことを見つけることが大事です。機会を見つけメモしてみることをお勧めします。次々と若い頃に出来なかった趣味など一杯出てくる筈です。

 

その一杯あるやりたいことの中に第二の人生がありそうですが、これは誰にでもそう簡単に見つけたり絞り込めたりするものではありません。ゆとりもなく終わってしまった第一の人生でもそう簡単でなかったのと同じように、考えるゆとりがあるはずの第二の人生でもそうです。

それは単にやり残したと言う未練ではなく、それが自分らしさや自分ならではのことかどうかというように未練が高度化するのです。単なるやりたいこと探し以上に大事なことになるのです。第一の人生が本当に自分らしい人生であったか、そんな気持ちが第二の人生で生まれ、つまり自分探しを意識し始めるのです。それではどんなことが自分らしいのか、自分探しとはどんなものでしょうか。

 

先日あることで、他人に語りたいこと、他人から聞きたいこととは何かを問われました。成功話より失敗話をした方が自分の気が晴れるし、聞く方々にも他人の失敗は面白いし、確かに為にもなると返事したことがあります。

現役時代、金先物で数百万円を擦ってしまい数日眠れなくなった時、これまでの人生の失敗を一杯書き並べてみたら、すっかり落ち着いて楽になれたことがありました。失敗にこそ自分らしい人生があると自負出来て、自分らしさに誇りを持てたのです。

そう言う意味では第二の人生にはまだまだ失敗を楽しむだけの余生が残っている筈ですが、失敗なんぞ積極的にするものではありません。失敗した金先物をもう一度やって取り返してやればいいのですが、残り少ない第二の人生では残念なことにそう簡単に失敗するわけにはいきません。失敗探しから何かヒントが得られそうですが、やっぱり失敗には自分探しのネタがなさそうです。自分らしさとは現役時代に時間を掛けてこつこつと作り上げておくべきものだったのでしょう。

 

では現役生活をいつまでも続けることが出来ればそれが一番いいのでしょうか。自営業や職人さんなどは還暦を迎えたりしてもてもそのまま現役を続けられます。しかし元サラリーマンは殆んど職域の知人友人からも疎遠になり、また新しい現業を探すことは難しい。何もしないで過ごすわけにはいきませんので、取り敢えずボランティアなど探してみたり、カルチャーセンターなどに通ってみたりするのが手短です。しかし暇つぶしとしては良いにしてもそれが充実感をどれだけ与えてくれるかは疑問です。それはそこには主体性がなかなか見つけられないからです。

それでも私は何かを見つけようと現役の終わりごろからあれこれボランティアに色々手を染めて、イケイケの毎日で現役時代に負けない数の友人も増えました。大学の公開講座も数限りなくある京都ですので、今もジャンルを問わず暇にまかせて渡り歩き、知識や使命感をたっぷり育てています。現役時代に比べると格段の成長をした自信があります。

そのうちそれらから自己発見ができるのではないかとの期待から何でもイケイケでやることにしています。でもこれはと言うライフワークのようなものに絞り込めることもなく、やりたいこととなると一杯あるにしても、絞り込めるようになるにはそれなりの縁や流れがいります。絞り込みにはかなりの悟りや諦めもいります。毎日時間が足りないくらいさ迷い歩いているのに、本当にそれだけで自分を満足させることのできるライフワークかを決めかねています。或いは決める自信が殆んどないに等しいのが今の私の悩みです。

 

それよりも、自分の満足を考えるだけではなく、他人を満足させることでしか自分を満足させられないと言うことに次第に気が付いてきました。つまり人のために役に立つことをしているか、或いはしたかが自分の満足度につながります。現役の仕事はそれだけで確かに社会の中の役割を担っているのですから、確実に社会の一員として役立っています。現役とはそれだけで社会的にも家族的にも有益な仕事をしているのです。だから何十年もサラリーマン生活を何の疑問もなくやり過ごしてきたのです。しかしそれが本当に自分らしかったかは確たる自覚もなく第一の人生が終わってしまっただけなのです。

 

生涯現役と言う意味は、生涯、人の役に立つことをすべきことを意味します。現業のままの方や、新しい仕事やボランティアをする人も、家族や社会のためになることをすべきなのです。決して自分のやりたいこと、自分のためにやり残したことをして満足すればいいものではありません。お互いに社会や家庭の役割を分担し生きています。そうしてこそ生きていることを実感できるのです。

リタイヤ後の数年は自分探しで既に終わってしまいましたが、残りの何年かの余生はこれからの自分の実現の余命です。人に役立つ生き方をしたいとは思いますが、それほど大袈裟でなくとも、人と人のつながりを実感出来る生き方を大事にすることぐらいはしたいものです。リタイヤ後の自分探しだけで済んでしまったこれまでは、第二の現役のための修行の期間であったと思うことにします。

 

さて果たして残り時間でライフワークらしきものに辿りつき、何かのお役に立つような満足できる生き方が出来るのか、それは必ずしも自信はありませんが、やれなかったら死ねないのです。やるべきことが見つからない、まして出来ないまま終わるかもしれないという不安と共に余生を生き続けるしかなく、だからまだまだそう簡単には死ねません。そんな風に悩みながら、色々の絆のお陰で今まで生きてこられたことを感謝するだけで、そのうち往生しそうな気がしてきたこの頃です。

 

毎日のエアロビクスとボランティア活動と、京都の街のイベントをさ迷い歩くことがまだまだ続きそうです。

昨年暮れのクリスマスイベントでのサンタクロースが私です。

 

ついでに、もう一つの写真を。

宿の手配が全く出来ないくらいに混みようの奄美大島に、片道だけの航空券をやっと手に入れて、7月22日の皆既日食を見に行きました。

ダイヤモンドリングが見られた程度の薄曇りでしたが、天文少年であった私の夢である肝心のコロナやプロミネンスは見られず、見納めの皆既日食の積もりでしたが叶わず、次の機会の2035年まで死ねなくなりました。

しかし自然と人情の奄美を大いに楽しんだ満足一杯のひとり旅でした。

 

ライフワークを探してホームページにしています。「マイクスタンディング」で検索し訪問していただければ嬉しく思います。

 

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